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 あけましておめでとうございます。

 Red Hot Chili Peppers/Can't Stop


 サマソニの話の続き。Metronomy終了後は特に観るものもなかったので、レッチリまで時間を潰す為会場内をぶらぶら。都市型のイベントという事で結構甘く見ていたけど、影が無いというのとアスファルトの照り返しの所為でフジの比じゃない暑さ。何人も担架で運ばれる人を見たが無理も無いなと思った。それにしてもサマソニ、僕は大阪会場へ行ったのだけど、ビールが特定の店でしか買えないにも関わらず常に一時間待ち以上の長蛇の列になっているわ、ゴミ箱が溢れかえってゴミの山になっているわ、屋台のメシが全然美味しくないわ、道路での誘導が適当だわ、何かこう、主催者側のやる気を全く感じないフェスだなあと思った。毎年実行委員が代わる学祭的な、行き当たりばったりでノウハウの蓄積とか全然ない運営をしてるようにしか思えない。帰りの新幹線で、同行者と「まあ楽しかったけど、サマソニには二度と行かずに済ませたいな」としみじみと語った。来年関東住まいだし面子が良ければどうせ行ってしまうと思うけど。しかしこうしてみるとフジの運営は本当に優秀なんだな。

 Red hot chili peppers/By the way


 あとはPILをちら見したり遠くから風に乗って聴こえてくるYUKIに耳を傾けたりX JAPANを遠巻きに眺めたり。特にX JAPANは、会場入りした時点でちらほら特攻服リーゼントなどの姿をしたヘヴィXファンがいてそれだけでも面白かったけど、ライブ自体も(ファンには申し訳ないけど)燃えたり爆発したりと馬鹿馬鹿しくて笑えた。本気ファンもライトファンも部外者の野次馬も、それぞれ楽しんでいて、サマソニで一番一体感があるステージだった気がする。ちなみにXとレッチリが出たメインステージの音響は全然問題なし。上から下まですっきり出ていて、演出のVJにも遅延が無く、さすがにここだけは気合入ってるなと思った。

 Red Hot Chili Peppers/Around the World


 Xのすぐ後がレッチリだったので入れ替わりの波に乗って結構前の方に陣取る。僕にとってレッチリと言えばジョン・フルシアンテで、このバンドを好きな理由の大半がジョンのギターなので、今回ジョシュのレッチリを観るべきかどうか(つまりサマソニに行くかどうか)は結構悩みどころだった。そもそも実はレッチリなんてつい最近まで全然まともに聴いた事もなくて、去年の冬にコピーバンドに誘われて実際に弾いてみるまで、正直そんな良いバンドだなんて思った事がなかった。だってアルバム通して聴くには曲がくどいし、歌が変なラップみたいなので気持ち悪いし。でも結局ジョンの音が見方を変えてしまった。ギタリストにも色々なタイプがいると思うのだけど、この人は音楽が好きで好きで仕方が無いというタイプで、ある意味リスナー志向のプレイヤーだと思う。ギターを通してひとり見知らぬところまで行ってしまうところがたまらなく良くて、毎回アドリブで弾いてるソロの直情的なフレージングが素晴らしく気持ち良い。毎回本当に気の赴くままに弾いてて、勿論時にはイマイチなソロなんだけど、これこそ音楽だよなと観る度に思う。ストラトの音むちゃくちゃ良いし。下の動画とか、ラリってボロボロだけど、実際のところ極めて音楽的なアレンジだと思う。

 Red Hot Chili Peppers/Under The Bridge


 ちなみに元のアレンジはこんな感じ


 音楽の何が良いのか、昔からよく考えるのだけど、一つ確実にあると思うのが感情の共有で、つまり、音楽を通して他人のフィーリングをトレースする事が快感に繋がっているのではないかと思う。音程と感情の関連(音程に対する分解能)は、犬の哀れ鳴きだとか怒った猫の鳴き声を人間が理解出来る事からも、恐らく哺乳類に広く共通した機能で、つまり視床下部(脳の進化的に古い部分)の働きに思える。一方で言語は大脳新皮質(進化的に新しい部分。例えば味覚はこの部分に繋がっていない為言語化しにくい)の働きだから、恐らく音楽というのは、同じ耳から入るものでも、言語ならまず大脳新皮質で解釈されるところを、直接感情を司る視床下部まで伝わる分、よりプリミティブな感情の揺さぶりを行えるツールなんじゃないかと、最近ではそう考えている。だから似た効果のものを並べたものとして、「セックス・ドラッグ・ロックンロール」というコピーは極めて理にかなってると思う。普通は音楽というと歌だから、言語と音楽の両方の効果を働かせて、相乗効果で煽情感を出しているのだろう。そういった意味で音楽は感情のトレースをひとつ本質として持っていると思うのだけど、恐らく多くの楽曲がもっと表面的な部分での表現に終始していて、ここで言うなら「大脳新皮質的な部分」でのエンタテイメントになっている気がする。それはそれで良いと思うのだけど、僕が音楽に求めるものはどうやらより「視床下部寄り」らしい。で、話が戻るけど、おそらくそういった理由からフルシアンテの視床下部直結型のプレイスタイルに非常に入れ込む事になった、というお話。しょうもない素人考えですみません。お口直しにジョンの視床下部ギターをどうぞ。歳をとってからの枯れたギターも良いけど、テクニックと若さが揃って脂の乗り切った、ヘロイン中毒で一度脱退する以前の映像。



 で、やっと本題。長くなったので手短に。結論から言うとジョシュのレッチリは序盤イマイチだったけど途中からはかなり良かった。よく考えればベテランとはいえ突然の大舞台、ジョシュも普通に緊張してたのかもしれない。セットリストはベスト+新曲という感じの構成。一曲目からBy the Wayで喜ぶも、ギターの音が細いしプレイにも思い切りの悪さが滲んでいた。Can't Stopもなんか納得いかない音のギターのまま序盤で散る。好きな曲だけに残念だったけど、後半段々良い雰囲気になってきて、Otherside、(新曲の)The Adventures Of Rain Dance Maggie、Throw Away Your Televisionなんかはかなり良かった。この辺りの曲では音の悪さも気にならず。特にThrow Away Your Televisionはあの変なエフェクトも含めて完コピしていた。全体に無茶するジョンが居ない分リズム隊ががっちりしていて、アンソニーも、今までのキャリアの中でもかなり安定して声が出てたし、かなり水準の高い演奏で非常に楽しかった。ジョンの不在を曲の良さと演奏のタイトさで押し通した、という印象。前述の通り酒が買えなかったので素面だったのだけど、素面であそこまで興奮させられるバンドはそうそうないと思う。振り返ってみて、サマソニは結局レッチリを観に行ったようなものだったな。注目だったジョシュのギターは、ジョンのスタイルを踏襲しつつも、もう少し手数が多くファンク系のニュアンスで、要所要所で空間系エフェクトを効果的に使う感じ。まだまだ薄味なので、バンドに馴染んでもっと頭角を現してくれるのを期待してる。まあジョンが再加入というのが正直なところ一番嬉しいけど。

 Red Hot Chili Peppers/Dani California


 近日中に2011年の内容で多分もう二回分ポストします。
 Red Hot Chili Peppers/The Adventures of Rain Dance Maggie


 今更振り返るサマーソニック2011。レッチリ良かったなあという記憶がメインなのだけど順を追って。Smith Westerns、The Morning Benders、Deerhunter、MetronomyというUSインディー勢が最も小さな(と言ってもZeppクラスの)屋内会場で連続出演、というのがサマソニに出向いたそもそもの動機だったのだけど、この屋内ステージの音が割と最悪に近かった為実はこれらのバンドはほとんど観た気がしないまま終わってしまった。名古屋だとクラブクアトロみたいな感じに高音が割れていてギターとボーカルの音がキンキンで、しかもドラムにコンプかけすぎでパツパツな耳障りなアタックしか聴こえてこない。さらにリバーブかけすぎてて気持ち悪いという。こんな面子が揃う事は二度とないだろうに勿体無いなあと思いながらも、一応最前付近に陣取って観ました。Smith Westernsは今が旬という感じを発散させまくっているバンドで、若さを持て余す感じのはみ出したステージングを想像していたけど、意外としっかりとした良くも悪くも普通のステージだった。ボーカルの長髪が想像以上にナルシスティックで、初期レディへのジョニー並にキモくてこれはセーフなのだろうかとかなり疑問に感じた。あのキャッチーなリフを弾くリードギターのSGはやはり凄く良いセンスで、ビートルズでジョンがソロを執った時の音を髣髴とさせるスィートなファズ。このギターの音の良さだけが救いだった。あとバンドって大抵ベーシストが脱退するけど、このバンドもそのうちベーシストが抜けそうだなと観てて思った。ちなみに会場は自分がバンド側だったら泣くくらいガラガラだった。

 Smith Westerns/Weekend


 The Morning Bendersは何のアナウンスも無くベーシストが欠席という意味の判らない状況だったのだけど、上記四バンドの中では一番良かった。ギターボーカルの人は自由人なんだなあという感じで、周りの空気とかバンドメンバーの戸惑いとかを全く意に介さず、好き勝手にMCをして大幅に原曲を無視した攻め攻めのノイズソロを弾いていてとてもグッときた。上手かったし、何より音楽的なのが良かった。もう一度良い音響下で、フルメンバーで観てみたいと思う。記念にTシャツを買った。

 The Morning Benders/Promises


 Deerhunterは一番がっかりだったというか何より期待の大きさが他とは違った為失望度も大きかった。Deerhunterめちゃくちゃ良いバンドだと思ってるからね。かなり好きな曲である「Nothing Ever Happened」も全然入り込めず、音響の悪さと演奏の中途半端さばかりが目に付いて何とも言えず残念だった。演奏、実際には別に悪くなかったと思うんだけど、何と言うか色々巡り合わせの悪い状況だったのではないかと思う。無念過ぎてこの後会場の隅でふて寝した(だから実はMetronomyは殆ど寝ながら聴いてた)。

 Deerhunter/Nothing Ever Happened


 そんなわけで正直そんなまともに観てないのにこんな事言うのもアレなんだけど、Metronomy実際のところかなり良かった。やっぱり会場の音が悪いというのでだいぶマイナスはあったのだけど、もともと割とパツパツなサウンドというのもあって被害が最小限に済んでいるのと、タイトな演奏による音そのものとはまた別の聴きどころがあったおかげでかなり楽しめた。特に確かラストでやった「Radio Ladio」はバッチバチにきまってて格好良かった。目が覚めた。あえてハンドカメラの音質も良くない動画で臨場感をお楽しみ下さい。

 Metronomy/Radio Ladio


 長くなったのでレッチリに関してはまた今度。
 Akron/Family/River


 去年のフジロック以来、イタリアにひと月半出張してたり就職活動をしてたりで一年近く全くライブに足を運んでなかったのだけど、ようやく就職が決まってひっさびさに行ったのがこの人たちのライブ。一昨年前のアルバムが出た時に知って、特に『Everyone is Guilty』という曲がめちゃくちゃ気に入ったのだけど、その時のライブには都合が悪く行けず、知り合いの「いやもう笑っちゃうくらい良かったわー」という言葉にハンカチを噛んで口惜しがったのだけど、今回ようやく行く事が出来まして、いやー笑っちゃうぐらい良かったわー。
 上の動画だとあまりそういう感じは無いと思うけど、かなりノイズがかった人たちで、アニコレみたいに押し押しのノイズインプロで攻めてくるんだろうな(場合によっては結構だるいだろうな)、と予想していたのだけど、そして実際にノイズが半分近くを占めるステージだったのだけど、押し付けがましくない洗練されたノイズで、物凄く曲の良さを引き立てていたのが印象的だった。曲自体も一音一音完璧に研ぎ澄まされていて、それほど好きでもない曲に一々感動した。大して期待してなかった割にあまりに良かったので正直超びっくりしました。音楽の凄さを改めて噛み締めた次第。今のところこの日の『Everyone is Guilty』が今年最高の瞬間。

 Akron/Family/Everyone is Guilty


 LITE/Ef


 しばらくして今度はLITEワンマンを観てきた。ポストロックというと某○響レコードと言うレーベルに蹂躙されてゴミだらけになってしまったという理由でどうしてもネガティブな気持ちを抱いてしまうのだけど、日和らず騒がず、己の音楽を真面目に追求するこの人たちは本当に偉いと思う。十年近くも一つのバンドを続けて、前に向かってこつこつ成長していくのっておそらく凄く大変で、大抵のバンドはそれが出来ずに方向性を見失う。近作でキーボードや打ち込みが入った時にも、「やる事がなくなったインストバンドの苦し紛れの一手」じゃないかと思ったけど、思い付きではなく、ちゃんと先立つものがあって、目指す形がはっきりしているのを曲を聴いて理解出来た。ライブでも新譜からのキーボード絡みの曲に明らかに重心が置かれていて、まさにどんどん良くなっているその脂の乗りを見せ付けていた。もともとこういうビジョンが昔からあったんだな、という感じ。その分過去のバキバキしたギター曲は「最近そんなに練習してないんだろうなー」という感じではあったけど。ただ二度目のアンコールでやった『Contemporary Disease』は素晴らしい出来! バキバキにロックだった。あと完全に余談だけど、バンマスっぽいテレキャスの人は禿げてるから坊主にしてるんだと思ってたのだけど、いつの間にか髪が伸びてぼさぼさになってて、思ったより顔格好良いなというのが印象に残りました。

 LITE/Tomorrow


 久々に書いてみたけどあんまり上手く書けなかったな。明日はサマソニ。日帰りで大阪です。レッチリ観てくる。
 Iron and Wine/Boy With a Coin


 友達が三年位前にこの辺りのアーティストに凝っていて、その時に色々借りたのでデータだけは沢山持っている。勿論当時も素敵な音楽だなとは思ったけど、最近改めて気に入り直したので掲載。このところたまにCDを買うくらいで、去年のフジロック以来ライブに一本も行っていないし、バンドもあまりする暇が無かったので、音楽が不足しているな、と切実に感じている。やっと就職が決まったので、とりあえず卒業までの間使う分くらいのお金をどうにかする事が今後の課題。今年のフジロックは残念ながら見送り。
 Smith Westerns/Weekend


 Ringo Deathstarr/So High


 Warpaint/Undertow


 tUnE-yArDs/Bizness


 ひとつひとつ色々感想があって書きたい事は少なく無いのだけれど、どうも気持ちに余裕がないのでこうして載せる程度で精一杯。四曲ともめちゃくちゃ良い音楽だと思う。

 追記:気力が湧いたので一曲ずつ感想を。

 Smith Westerns/Weekend
 滅茶苦茶キャッチーなリフのゴキゲンな曲でこんなの誰だって好きになるに決まってるずるい、というのが最初に聴いた時の感想。アルバムにはビートルズのテイストもあって若いのに渋いなあと思った。あるいは若いからこそこうなるのかもしれない。

 Ringo Deathstarr/So High
 どこのマイブラだよって聴いた瞬間思った。PVのあからさまに狙った時代錯誤感も小狡い。Smith Westernsもそうだけど、音楽的には過去の物の焼き直しと言う側面がどうしても強くて、個人的にはもっと新しさを求めたいのだけど、それでも聴いてしまうのは曲の良さに何かしら突き抜けたところがあるからだと思う。

 Warpaint/Undertow
 ここ最近最も入れ込んでいる曲。特にサビのベースラインは何度聴いても震えるくらい好きだ。あまりに何度も聴いているので思い入れの様なものまで生れてしまった。こうなると曲と自分の間には関係の様なものが出来ていて、その深さこそが音楽ではないかと思う。要するにこの曲を聴く前には戻れない、と言う事。良い作品は人を動かすという話で、自分がいわゆる「普通の人」に興味を持てないのは、動かされる要素があまりにないからだろう。記号の順列組み合わせ的な少年漫画、ハリウッド映画やテレビドラマに心惹かれないのも同じ理由だと思う。そこには自分の価値観を揺るがすようなものは何も無い。多分世の中には動かされたい人と動かされたくない人が居て、思っている以上に多くの人がそのままでいたいと思っていると言うか、動くという事を想像も出来ないでいる様に見える。それはきっと動く必要がないからで、それこそ健康と言うものかもしれない。そういう意味で自分は完全に不健康だし、不健康な人が好きなのだろうなと思う。というのも実は言い訳で、結局のところちゃんと大人になれてないというだけかもしれないけど。

 tUnE-yArDs/Bizness
 このパワフルさこそ昨今のオシャレで趣味が良いだけのUSインディーに欠けてるものじゃないのって思った。ライブ版を載せたけどPVもとってもパワフルで良い感じ。己の道を突き進む事による求心力というのか、とにかく突き抜けていて素敵だと思う。似た傾向のものでDirty Projectorsを思い出した。ライブ観たら絶対楽しいだろうな。フジロック来ないかなあ。

 例によって近況を報告すると、「就活ファック」の一言。
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